2020/10/10 10:34


パティシエの 佐々木 元さん は東京の板橋区にある洋菓子店「マテリエル」(オーナー・シェフ林 正明氏)のスー・シェフを務めていらっしゃいます。

今回のイラストは飴とチョコレートで精巧に作られた飴細工(ピエスモンテ)を描かせていただきました。

佐々木さんが『ナポレオン』をイメージして作られたこの作品は、フランスでも権威のあるコンクールの一つ『2016年シャルル・プルースト杯コンクール(Concours Charles Proust 2016)』に出品し見事 準優勝に輝いた作品です。
















佐々木さんから作品のテーマに関する貴重なお話を伺うことができましたので、ご紹介させていただきます。

コンクールの出題テーマは「職人技術 フランスの遺産」佐々木さんはこのテーマから、凱旋門の建築に携わった職人さんたちをイメージしたそうです。中でも一番有名なエトワール凱旋門は、ナポレオンの指示で作られたもの。この凱旋門と私達がよく見かける有名な馬に乗ったナポレオンを関連付けた作品にしようと構想を練ったそうです。


佐々木さんの手掛けたパーツは1つ1つ細部までこだわって仕上げてあり、画像からもその精巧さと素晴らしさは伝わってきました。私は描きながら飴細工ということを忘れてしまうほどでした。細い細い飴のパーツを何本も組み合わせた花弁や馬の立て髪。薄くてしなやかな葉っぱやリボン。細部まで忠実に再現された凱旋門。職人さんの建築道具まで…美しさとリアルさをとことん追求しています。

壊れやすい繊細な飴を扱うだけでも細心の注意が要求されるはずです。さらに、前脚を上げた躍動感ある馬の胴体に各パーツを組み合わせて1つの作品に仕上げるセンスとバランス感覚は神業としか言いようがありません!忙しい仕事が終わってからのコンクールのための準備。熱い飴の扱いは火傷を負うこともあっただろうと思います。それでも職人魂とコンクールに対する熱い思いがあったからこそ、素晴らしい賞に結びついたのだと思います。

今回のイラストの作成を通して、私は今まで知らなかった飴細工の世界に触れることができ感動しました。そして、日々努力を重ねているパティシエの方達が大勢いることを知りました。素敵なケーキの写真を見てお声をかけたことがきっかけで始まった今回の作品。飴細工は初めて挑戦する題材でしたが大変勉強になりました。

同時に沢山の方にイラストを通して様々な食の世界をもっと知っていただければ…と感じました。職人の方々は自慢の作品を!お店を応援したい方は自分の一推しメニューを!やまだ屋がイラストにして新たな世界を皆様にご紹介させていただきます。 

皆様からのご依頼をお待ちしております。お気軽にお声掛けください。

令和2年10月10日